インキュベートルーム:
卒業企業の声
NPO法人フレッシュステップ関西
事業概要について教えてください。
私たちが行っているのは、大まかには就労支援事業です。 現在は、次の3つの柱を軸に経営を行っています。
- 有料職業紹介業を営んでいる民間へのコンサルティング
- 公的機関と連携した就労支援
- 失業者への企業情報の紹介、 です。
そのほかNPO法人ですので、寄付等もいただいております。 経営的には、コンサルティングがもっとも大きな割合を占めています。 NPO法人では、社会的使命が大切です。当社では「人育て」を常に意識しています。 数値的には、当社に来られた失業者の8割を無事就職に導くことを目標にしています。 また、今後に向けては、さらに複数の計画を持っています。
ビジネスモデルについて教えてください。
ビジネスモデルは試行錯誤でした。当初から二転三転を繰り返しています。 創業から2年を経過してようやく柱がまとまってきたところです。 顧客の開拓は、積極的な営業ではなく、おもにご縁のある方からの紹介です。
事業の規模について教えてください。
職員数の規模は10数名程度です。 また、府内各地とのネットワークも密にしております。
御社の強みについて教えてください。
当社の強みは、経験だと思います。 このような仕事をこれまでに15年ほど経験しております。 民間でこれだけの経験を持っている方は国内にはほとんどいないでしょう。
インキュベートルーム使用開始からの経緯について教えてください。
当初、大阪府に相談に行きました。 そしたら大阪府より、枚方市立地域活性化支援センターを紹介されました。 これがご縁のきっかけです。
使用終了して感じたことを教えてください。
使用中のサポートよりも、使用終了後に感じたこととして、 公的なインキュベーションルールを利用することで、 企業としての信用力がついた点は助かりました。 おかけで公的機関との連携もできたと思います。
使用中に苦労したことについて教えてください。
当初は、ハローワークとの違いを理解してもらうのにとても苦労しました。 「もう既にハローワークがあるのに何を今更」という印象だったようです。 「真に労働者の立場に立った視点、人を育てること」が決定的に既存の事業と異なるのです。 このことを地道な活動を通じて、事業の独自性、社会的な使命を訴えかけてきました。
失業者には、流動的な層と滞留している層があります。 滞留している健常な失業者の就労支援を行っています。 2年を経てようやく私たちの話が理解いただけるようになってきたところです。 また、反省点は、まだ2年ですからこれからいろいろと出てくると思っています。
事業を行う中での工夫について教えてください。
この事業は、失業者ご本人に自覚を持ってもらって、 自分の魅力に気づいてもらい、レベルアップしてもらうことが大切です。 ですから、単発の面談で終わるような性格ではなく継続的になります。 このことがすなわち、人育てであるわけです。
また、小さなことですが、応募書類作りをパソコンで行うように指導しています。 手書きでは、失業者が書くのに時間もかかり、やがて書くのが億劫になります。 そうすると絶対的な就職活動量が減ってしまうわけです。 読み手も今では活字のほうが読み慣れているわけです。 これまで1000名近い方にこのパソコン履歴書の指導を行って参りましたが、 一度もクレームを受けたことはありません。 小さなことですがこのことに気づいてもらうだけでも就職活動が楽になると思います。
そのほか、職務経歴書にも一工夫を加えています。 これは、失業者との面談の中で作成していきます。 この面談を通じて、ご本人に本当の自分を書類に書き出してもらうわけです。 完成した書類は、ストーリー性のある職務経歴書になります。
印象に残っていることを教えてください。
今でも忘れられない話をさせていただきます。
ある時、私たちのところに高卒の失業者が訪ねてきました。 「何度応募しても落とされてしまう」というわけです。 書類を見てみると、高校入学後中退し、再度高校に入学して卒業しているのです。
「なぜ中退したのに再入学して卒業したのか?」 ご本人にそのことを訊ねました。 その方は、しばらくたって事情を話してくれました。 家庭の事情で学費が不足し、一度中退後、再度自費で入学して卒業したとのことでした。 さらに、聞いてみると成績は優秀とのことでした。
そのことを正直に書き、成績も同封して応募しなさいとアドバイスしました。 数週間後、無事に第一希望の就職先に入ることができたと教えてもらいました。
今後の抱負について教えてください。
引き続き行政とタイアップしながら地域貢献を目指した事業に取り組んでいきたいと思います。 また、最近では、社会起業家の育成にも関心が出てきています。 こういった方ともうまく連携していきたいと考えております。
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