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2024.12.25

枚方市立地域活性化支援センター 宮脇所長にインタビュー【運営者インタビュー】


枚方市立地域活性化支援センター
宮脇所長にインタビュー
【運営者インタビュー】

所長インタビュー-2

話し手:宮脇所長

【プロフィール】
枚方市立地域活性化支援センター
宮脇所長

枚方市役所商工振興課に所属し、地域活性化支援センター「ひらっく」の所長として、中小企業や起業家をサポートし、地域経済を活性化するためのプロジェクトを推進しています。地域の創業支援やネットワーキングの場として機能する「ひらっく」の運営、施設の管理に尽力しています。起業支援、中小企業の成長をサポートするための施策などを通じて、新しいビジネスの可能性を開拓する場を提供しています。

聞き手:アサカワミト

<インタビュアー>
アサカワ ミト(コミュニティマネージャー)

ひらっくコミュニティマネージャー。受付業務をしながら、利用者さまとの交流や、シェアオフィスを始めとした方にお繋ぎする機会を作っています。交流イベントの企画、進行なども担当。

プライベートでは、未経験の方や社会人にも役立つ演劇ワークショップを開いたり、アレクサンダーテクニークという身体メソッドの講座などをしていて、幅広い方々に、こころとからだをワクワクさせる機会を作っています。

新たなチャレンジの拠点「ひらっく」の誕生

  「ひらっく」は、単なる場所貸しをしているコワーキングスペースではありません。ここは、地域の創業者やフリーランサー、企業が集まり、知識を共有し、新たなビジネスチャンスを生み出すための拠点です。

ひらっくでは、ビジネスを立ち上げたい人、成長を目指す企業、異業種同士の新たなコラボレーションを求める人々が集まり、活発な交流が行われています。「ひらっく」は、そうした出会いや学び、挑戦を後押しする場として誕生しました。

ここでは、仕事を進めるだけでなく、周囲とのネットワーキングやスキルの向上、新たなアイデアの誕生といった、クリエイティブな発展の可能性が無限に広がっています。

今回は、枚方市役所商工振興課に所属し、地域活性化支援センター「ひらっく」の所長である宮脇さんにお話を伺いました。地域経済の活性化に向けた取り組みや「ひらっく」の役割について深掘りしていきます。

宮脇さんの経歴と所長としての役割

ミト:宮脇所長のこれまでのご経歴について教えてください。

宮脇さん:大学卒業後は、新卒で旅行会社に4年勤務しました。その後、2006年に枚方市役所に転職して、今年で19年目になります。枚方市役所では、文化観光課、人事課、選挙管理委員会、市民活動課、私立保育幼稚園課、農業振興課などこれまで9つの部署を経験しました。

ミト:多くの部署を経験されているんですね!その中で印象深かった業務はありますか?

宮脇さん:2011年の東日本大震災の際には、支援本部にも関わりました。被災地には直接行くことはありませんでしたが、募金活動や支援物資の受付などを担当しました。こうした経験が、現在の商工振興課での業務にもつながっていると感じています。

ミト:では、現在の職務についてお聞かせください。

宮脇さん:今年から地域活性化支援センターの所長として、主に創業支援に携わっており、「ひらっく」を活用して、イベントやセミナーの運営を行っています。さらに、副業人材を活用して、中小企業の課題解決を支援するため、枚方市と株式会社みらいワークスが連携協定を結び、事業者支援にも取り組んでいます。

ミト:宮脇さんがこれまで仕事において大切にされてきたことはありますか?

宮脇さん:地域経済の発展を支援するだけでなく、人とのつながりを大切にしてきました。「人が集まれば、何かが生まれる」という思いで、さまざまな場面で挑戦をサポートしてきました。

地域に根ざした挑戦の場「ひらっく」誕生の背景

ミト:「ひらっく」が開設された背景についてお聞かせください。

宮脇さん:「ひらっく」は平成17年4月に、地域産業の振興と新たな事業創出を目指して設立されました。

ミト:この「ひらっく」という愛称はいつから使用されるようになったんですか?

宮脇さん:令和2年の10月に公募して、令和3年の6月に「ひらっく」という新しい名前が決まりました。この名前には「事業開拓、道をひらく」という意味が込められています。

ミト:今後「ひらっく」をどのような人に利用してもらいたいと考えていますか?

宮脇さん: 創業・起業して間もない人、将来的に創業・起業を目指す人、新たなビジネスにチャレンジする子育て世代、学生ベンチャーなど、様々な人に利用してもらいたいです。それ以外にも、ちょっとした気分転換にも使ってもらいたいですね。料金も3時間以内300円、一日利用でも500円と比較的安価なので、お試し感覚でまずは気軽に利用していただければと思います。見学だけでももちろん大丈夫ですので、ぜひお気軽にお越しください!

「ひらっく」の4つのビジョン

ミト:ひらっくのビジョンをお聞きしてもよろしいですか?

宮脇さん:ひらっくは、多くの方の知見を活用できるコミュニティ型の創業支援施設へ~手厚いサポートのある関西一創業しやすい街枚方を目指して~を掲げており、このビジョンの実現に向けた4つの取組みを進めています。

1つ目が、ワンストップ相談窓口。これは、専門家による経営相談や支援機関との連携を図り、細やかなビジネスサポートを提供しています。

ミト:ワンストップっていいですね。

宮脇さん:そうですよね。市役所や支援センターなどと手続きが1つの建物で収まらないことが多いと思うのですが、ひらっくを相談窓口の中心にしていきたいですね。

2つ目が、子育て世代の支援です。創業を目指す子育て世代向けに子ども預かりサービスを試験的に実施しています。

ミト:これは実際に要望の声があったのですか?

宮脇さん:実際にお声もありました。また、いろいろなイベントやセミナーを開催する中で、小さいお子さまを抱えている方でも創業したいという意欲を感じるところもあったんです。

火曜と金曜の週2回限定で、コワーキングスペース内で利用者が仕事に専念できる環境を整えています。このサービスは好評で、子育て世代が安心して起業に挑戦できる仕組みを提供することができています。

※現在は、試行実施を経て、今後の運用に向けた検討を進めています。 

3つ目が、テレワーク環境の整備です。コワーキングスペースにWi-Fi環境を整備することで、テレワーク環境の需要が高まっている現状に対応しています。

最後の4つ目が、若手起業家の育成です。

創業に必要な基礎知識を習得し、ビジネスプランを1年間かけて学べる「創業実践塾」や、起業に対する意欲や発想はあっても、知識や経験が不足している若手起業家を対象に、学びと実践の場を提供する「起業街道枚方塾」を開催しています。

リニューアルの背景と未来への展望

ミト:枚方市としてこの輝きプラザきらら5階をコワーキングスペースにリニューアルした理由を教えてください。

宮脇さん:やはりコロナを契機に働き方が多様化したことが大きな理由です。テレワークを中心にした新しい働き方に対応するスペースが求められる中、地域全体がクリエイティブに発展できる場を提供する必要性を感じました。

ミト:ひらっくのコワーキングスペースのコンセプトについて教えてください。

宮脇さん:リニューアルを機に、利用者の声を反映しながら、より快適で使いやすい施設を目指しています。創業や起業に向けた充実した支援ができる施設へと成長させたいですね。

リニューアルしたところですが、枚方市の広報活動やコワーキング関連イベントを通じて、少しずつ認知度が上がってきました。また、口コミを通じて、新しい利用者も増えています。

ミト:コワーキングスペースが誕生して、どのようなことを期待していますか?

宮脇さん:枚方市内にもさまざまなコワーキングスペースが展開されているので、市内のコワーキングスペースと連携して、枚方を盛り上げていきたいですね。また、ひらっくでも新たなコミュニティ形成のための創業者・創業準備者が集う施設として、関連イベントやセミナーの開催を通じて、異なるステークホルダー間の協働促進も図っていきたいですね。

異業種が交差する場で生まれるアイデア

ミト:異業種の方々が隣り合って仕事をする中での発見や気づき、おもしろいと思ったことはありますか?

宮脇さん:やはり、普通に会社で働いていたら出会わないような業種の方々と交流できるのがおもしろいですね。

「ひらっく」では毎月1回、利用者とスタッフが交流を図るランチ会を開催しているのですが、毎回新しい世界を知ることができ、とても興味深いです。業界特有の働き方や裏話を聞く機会も多く、非常におもしろいですね。 


(12月のランチ会の様子)

ミト:印象に残っているエピソードはありますか?

宮脇さん:利用者同士で新しいビジネスが生まれたり、新しい人間関係が広がることです。ひらっくランチ会で、学習塾を経営される方と映像制作をされている事業者同士で意気投合し、集客に伸び悩む学習塾の課題解決のため、HPとSNS運用見直し支援の事業化につながった例もあります。

ひらっくをさらに盛り上げるために、今後も連携を図って、イベントの開催や新たなビジネスの創出を目指していきたいと思っています。具体的にはまだこれからですが、そういった可能性があることにワクワクしています!


(以前開催したbook&talkの様子)

未来を見据えたコワーキングスペースの進化 

ミト:今後PRしたいことや伝えたいことがあれば教えてください。

宮脇さん:枚方市では、令和6年3月に副業マッチング事業者と連携協定を結んでいます。ひらっくでは、市内の中小企業の経営課題解決に向け、副業人材の活用支援を提案しています。この副業人材とは、本業で会社に所属して働きながら、勤務時間外に対価をもらって業務を行い、本業で得た知識やスキルを活用し、中小企業の「経営課題の解決」や、「企業成長」を後押しする人材のことです。実際に、市内企業が副業人材を活用する事例も生まれていますので、副業人材に興味がある経営者の方は、ぜひご相談ください。

コミュニティを育てる場としてのひらっく

ミト:枚方市と商工会議所との連携について教えてください。

宮脇さん:ひらっくは市役所と商工会議所が連携しながら運営しています。私自身が市職員として所長を務めていることで、市役所と商工会議所の橋渡し役となり、両者の強みを活かして創業支援を進めています。

また、創業・起業を目指す人・創業実践塾生・インキュベートルーム入居者、若手起業家・ビジネスカフェをはじめとするイベント・セミナー参加者など、様々な人にコワーキングスペースを積極的に使ってもらって、その良さを体感してもらいたいです。「ここなら仕事がはかどる」「ここで仕事をすると幅が広がる」と感じてもらえるような環境を提供していきたいですね。

ミト:これからのひらっくがとても楽しみです!今日はありがとうございました!

ひらっくで、次のステージへ

「ひらっく」のコワーキングスペースは、単なる作業スペースではなく、地域経済を活性化し、異業種の人々が集い、ビジネスの可能性を広げるための場です。ワンストップ相談窓口やテレワーク環境の整備を行い、子ども預かりサービスや若手起業家支援事業など、子育て世代の支援や若手起業家の育成を図ることで、新たなコミュニティ形成を図ることができる場を目指しています。

「ひらっく」では、あなたのビジョンや夢を形にするための具体的なサポートを行っています。地域の人々とともに新たな一歩を踏み出すチャンスを、ぜひ「ひらっく」で掴んでみませんか?

枚方市立地域活性化支援センター

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