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2024.07.28

OSAKA・ゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション 由比さんにインタビュー【シェアオフィス入居者インタビュー】

OSAKA・ゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション由比さんにインタビュー 【シェアオフィス入居者インタビュー】

由比さん-58

話し手:由比達也さん

【プロフィール】
OSAKA・ゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション
由比達也(ゆひたつや)さん

OSAKAゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション 役員秘書室 室長

1978年生 大阪府枚方市出身 MPD:事業構想修士(専門職)、防災士

和歌山市役所、枚方市役所で税務、情報システム等の職務を経て、大阪府公民戦略連携デスクへの出向を機に公民連携による社会課題解決を目指す政策推進に従事。2023年10月、約20年の地方公務員としてのキャリアを経て、脱炭素社会の実現と大阪、日本の経済成長をめざす官民共創機関OZCaFへ転職(現職)。

休日は趣味のトレイルランと自身がランディレクターを務める英国発祥のランコミュニティparkrun(毎週土曜日開催)の運営に従事。

由比さん-38

聞き手:アサカワミト

<インタビュアー>
アサカワ ミト(コミュニティマネージャー)

ひらっくコミュニティマネージャー。受付業務をしながら、利用者さまとの交流や、シェアオフィスを始めとした方にお繋ぎする機会を作っています。交流イベントの企画、進行なども担当。

プライベートでは、未経験の方や社会人にも役立つ演劇ワークショップを開いたり、アレクサンダーテクニークという身体メソッドの講座などをしていて、幅広い方々に、こころとからだをワクワクさせる機会を作っています。

OSAKA・ゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション
略してOZCaF (オズカフ)について

ミト 由比さんについては、ひらっくリニューアル時のイベントで登壇された際に、一度自己紹介をされているのを聞いたのですが、正直なところその時は何をされている方かがいまいちピンと来ませんでした。今日はその辺りがクリアになればと思っております!よろしくお願いします。

由比 よろしくお願いします。なるかな〜(笑)

ミト (笑) まずはお名前と今されているお仕事、組織名を教えてください。

由比 OSAKA・ゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション、略してOZCaF (オズカフ)の由比達也です。

ミト ありがとうございます。OZCaFさんはどういった組織なんでしょうか。

由比 難しいですね〜。

ミト やっぱり難しいんですか(笑)

由比 OZCaFは2021年(令和3年)の7月に立ち上げまして、国や自治体の「官」と企業・大学、各種団体などの「民」との連携、共創でやっている組織なんです。

今後、ゼロカーボンを推進していくためには、自治体だけが頑張っても難しいし、逆に民間だけでもやっていけないので、官民連携進めていきましょう!ということを考え、大阪府庁やいくつかの民間企業が中心に立ち上げた官民共創機関なんです。

いまOZCaFへ参加している企業は大手から中小企業を含めて約3000団体に迫る参加企業数です。その参加企業さんの得意分野ごとで、脱炭素につながるような取り組みや共創、ビジネスマッチングを日々コーディネイトしている団体がOZCaFですね。

ミト あの、実を言うと…お恥ずかしいことに「脱炭素」「ゼロカーボン」というものをあまりわかっていなくて。この機会に教えていただけますでしょうか。

由比 わかりました。

2020年10月、当時の菅首相が”2050年までにカーボンニュートラルの実現”をめざすことを所信表明で発言されたことが日本における非常にインパクトのある出来事で、日本での”脱炭素化”が広がるきっかけとなりました。日本の各企業が自社の事業活動においていかにCO2の排出量を抑えるかを課題に、技術革新や他社の脱炭素ソリューションを取り入れたりして、”脱炭素化”を進めています。

”脱炭素経営”という言葉もありますが、これは、気候変動対策(≒脱炭素)の視点を織り込んだ企業経営のことです。従来、企業の気候変動対策は、あくまでCSR活動の一環として行われることが多かったんですが、近年では、気候変動対策を自社の経営上の重要課題と捉えて、全社を挙げて脱炭素化に取り組む企業が増加しているんですよ。

ミト この脱炭素の「炭素」と言うのは、二酸化炭素のことですか?

由比 そうです。主に二酸化炭素のことです。他にもメタンガスなどのいろんなガスもありますが、それをひっくるめてGHG(※1)とも言います。これを下げていきましょうねっていう取り組みは今や皆さん共通ですよね。

(※1 Green House Gas 二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの排出量のこと。地球温暖化原因は、人間活動によるこのGHG排出量の増加である可能性が高いと考えられている。)

ミト カーボンという言葉が「炭素」。つまり「ゼロカーボン」≒「脱炭素」ということですね。

由比 そうですね。他にも「カーボンニュートラル」や「カーボンオフセット」という言葉もあります。

ミト よく聞きますね。

由比 いくら脱炭素といっても減らせない排出量というのはありますよね。それはしょうがないので、まず極力下げる努力はする。例えばそれで100を80に下げて、あと残り80は違う形で無くし、差し引きゼロにしようというものです。

差し引きゼロという点で、僕らOZCaFとJaZCaF(JAPANゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション)という団体は、大阪・関西万博においてゼロカーボンを目指す取り組みの一環で「EXPOグリーンチャレンジアプリ」というアプリを開発して協賛提供しています。

アプリを通じて日本全国の方々に日々の脱炭素行動を楽しみながらジブンゴトとしてチャレンジしていただき、その総和で大阪・関西万博の会場への移動で排出されると推計されているCO2をプラスマイナスゼロにすることを目指しましょう!といった取り組みもしているんです。

ミト おお、色んな形で取り組み、ゼロを目指す。面白そうですね。

由比 面白いですよ。

ミト つまりOZCaFさんは官民が協力して、ゼロカーボンを目指していくために様々なことを仕掛けたり、取り組んだりする団体。ざっくり、そんな感じでしょうか?

由比 そうですね。官民共創機関って言うんですけど、「官」は環境保護をしたいとか、企業が持続可能な成長を遂げるために、脱炭素化を推進したいっていう課題があります。

「民」は、例えばサプライチェーン(自動車なら個々の部品を作る会社や、部品を組み立て自動車にする自動車メーカー等で構成されるもので製品の原材料・部品の調達から販売に至る一連の流れ)の中で、取引先の企業から「脱炭素化しなかったら、あなたのところの部品を買わへんで!」って言われるけど、どうすればいいかわからない・・・という局面があります。

このお互いの局面や課題を解決するために、どういう取り組みをしたらいいかっていう知識とか技術を共有、連携して、いいものを生み出す(共創)を推進する組織が官民共創機関OZCaFですね。

ミト なるほど。わかってきました! ありがとうございます。

ひらっくのお仕事について

ミト では前半はひらっくのお仕事について質問させてください。今回、このひらっくコワーキングのシェアオフィスを選ばれた理由は何だったのでしょうか?

由比 OZCaFはいま説明した通り「共創」を理念として持っていて、それがひらっくの開設理念…創業したい人とか、起業したい人とか、もうすでにしてるけどマッチングしたいっていう共創の場という理念を打ち出してたんで、その理念と共鳴するなと思い選びました。

僕らは大阪市内にもオフィスがあるんですけど、脱炭素を広げたいと言ってる中で、大阪市内のオフィスに閉じこもっていては進まないところもあるので、より地域に特化した場所に拠点を持って、脱炭素化の大切さを伝えてやっていきたい、こういう場で協創の空気が作れたらいいな、と思っていたのでまさにうってつけの場所だと思いました。

ミト こちらのオフィスを使われる際の1日の流れを教えてください。

由比 そうですね。週1、2ぐらいで来ているんですけどメインはWEB会議。あとは資料作りをしてます。もっと利用者さんと話をしたいんですけどね。

ミト そこは僕らスタッフがこれから頑張ってお手伝いしていくところですね(笑)

由比 お願いします(笑)

コワーキングスペースで仕事をすることで期待すること

ミト では、コワーキングスペースで仕事をすることで、どんな期待をされていますか?

由比 もっと我々からも利用者さんの課題とかを聞いてみたいですし、他の利用者さんから気軽に声をかけてもらって、些細な話から脱炭素とか、スマートシティとかも含めてコミュニケーションが出来たらなと思っています。課題って、時には手法になったり、目的のヒントになったりするんです。

「OZCaFさんって脱炭素、スマートシティですよね、うちはあんまり関係無いかな」ってよく言われるんですけど、それでもどんな課題を持ってるんですかってお話を聞いたら例えば、子育て系ですとか、女性の起業ですよって課題が出ると、それって結構スマートシティの技術に絡んできたりとかするんですよ。その実現が、ゆくゆくは脱炭素に繋がったりとかするんです。だからそういう接点を、様々な分野で持ちたいので、どんどん交流したいですね。

ミト 思わぬところから脱炭素につながるんですね。ここのビジョンがみんなにもっとわかると、コミュニケーションが広がりますよね。

由比 そうなんです。だからひらっくでぜひ「脱炭素カフェ」したいですよね(笑)

ミト 良いですね! お話されたように、脱炭素は絶対今後無視できない世界レベルの取り組みですもんね。

由比 そう。だからOZCaFを再生可能エネルギーとか、太陽光発電を提案する企業、法人なんでしょって思われてるんですけど、それは違うんですよね。それもひとつではあるんだけど、もっと広い視野で動いてるんです。

ミト そのためにはやっぱり、皆さんの課題を聞きたいですか?

由比 そうですね。後で詳しく話すんですが、僕は前職、枚方市役所に勤めていたんですね。それで、実はひらっくの宮脇所長と僕は、高校の同級生でもあるし、市役所でもいろいろと一緒に仕事をしていた関係なんです。前職では北大阪商工会議所さんともたくさん仕事をご一緒していただきました。その繋がりから、今は立場は違いますが、枚方市役所さんや、北大阪商工会議所さんとも、もっと深く交流して連携していけたらいいなと思っています。

あとは、市内の企業団地とか。枚方市ってそういう企業がいっぱいあるじゃないですか。工場勤務だからなかなかリモートワークは難しいと思うんですけど、そういう人たちにもどんどんひらっく使ってもらって、働き方を変える可能性とかも紹介していきたいですね。

ミト それこそ今、製造業が協力してやっているオープンファクトリープロジェクト「不器用ファクトリー」というものがありますけど、そこにもアプローチしたら面白そうですよね。

由比 オープンファクトリー、良いですね。そうやってそれぞれが働く場を見せたり、現地で作ってるものをここで見せるとかね。働きに来なくても見せるとか、いろんな方法でひらっくと、枚方市内の会社さんが繋がる方法ってあると思うんで。きっとそういう話をしていたら、脱炭素に繋がる可能性って充分あると思います。

今のお仕事を始められたきっかけ

ミト 今のお仕事を始められたきっかけを教えてください。

由比 先ほどもはチラッと話しましたが、前職は枚方市役所で働いていました。それを23年の9月末で退職、転職をしてOZCaFに勤務しています。

ミト 市役所にいたときから、ゼロカーボンに関することをされていたんですか?

由比 どちらかというとスマートシティが担当分野でした。

ミト 枚方市でスマートシティって、なにか取り組んでいたんですか?

由比 取り組んでましたよ!(笑)

ミト 不勉強ですみません(笑)

由比 今もいろいろしていますよ。住民さんが便利になるようなアプリ開発をしている企業と連携して、実証実験して、実装をしたりとか。

僕が市役所で担当していたのがまさに、公民連携。自治体が解決したい課題を民間を募集して協力してもらったり、民間企業にもビジネスとして枚方市内で成長してもらったりしてました。

OZCaFとの出会いは、市役所で勤めていた最後の2年間くらいですね。市役所を退職したのが2023年度。その少し前の2020年度から2021年度の2年間、僕は大阪府庁に研修生として出向させてもらってたんです。

2年間、大阪府庁の公民連携の部署で働いて、企業との連携の仕方とかを日々学ばせてもらいました。その2年目の2021年の7月にOZCaFを立ち上げることになりますが、大阪府庁側の立場でOZCaF立ち上げの担当もさせてもらったんです。

そういったご縁もきっかけではあったんですが、もうひとつは脱炭素、スマートシティへの関心が高まっていたんです。自分のやってきたバックグラウンドと時代の流れがバシっと合っているいま、ここでチャレンジしたいなと思って転職をした、というところです。

ミト 市役所ではできないことや、脱炭素、スマートシティにもっと関わっていきたいという思いがあったってことですね。

由比 そうですね。市役所で20年働いたんで、考え方とかルールとか、できることできないことっていうのは十分理解してたんですけど、民間に飛び込んだらどういうことができるのかっていうことは、前からかなり興味関心があったので、民間企業に行きたいなっていうのは、だいぶ前から心の中ではあったかもしれないですね。

ミト 今までのお仕事の中で大事にしていることはありましたでしょうか?

由比 そうですね。会議や打ち合わせをすることが多いんですけど、会議って大体1時間じゃないですか。来ていただく分にも伺う分にも、その1時間、自分やOZCaFに出会ったことで、幸せになってほしいなとか、喜んで帰ってもらいたいなと思っています。そういう姿勢を大事にしていますね。

来てよかったなって思ってもらえる団体でありたいし、相談してよかったなっていう担当者でありたい。気持ちよく話したいとか、気持ち良く聞きたいと思うような雰囲気作りは心掛けています。

ミト 素敵な心掛けですね。

由比 じゃないと相談したい団体になっていかないと思うんです。

ミト 話やすいかどうかで、今後関わっていきたいかどうかが大きく変わりますもんね。大事なことです。

由比さんはいま、民間で働かれてるわけですけれども、なにか仕事のバランスは変わりましたか?

由比 そんなに変わってないですね。役所勤めだったので定時はあったけど、役所のときから今もそうですけど、オンオフがうまくできるタイプの人間じゃないんです。家に帰っても仕事のことは考えてるし、仕事中でも週末何しようかなって考えるんで(笑) 

なので、ガチガチに「土日は仕事のことを一切考えたくない」みたいな変な縛りを精神的に作らないようにしてます。逆にそれでバランスが保ててるのかな。ずっと仕事のことを考えてるし、ずっと遊びのことを考えてるって言ったら語弊あるんですけど、、、

ミト あんまり自分の中で垣根を作らないようにしているんですね。

由比 そうそう、垣根を作らないように。それは結構意識してるかもしれませんね。

ミト そうなんですね。OZCaFの、何に繋がるかわからないっていう部分でも、垣根を作らない由比さんにとっては良いんですね。

由比 そのほうがむしろ楽ちゃいますかね。

ミト そうかもしれませんね。

由比 休みやから、休みをせなあかんみたいなのって、しんどいじゃないですか。

休みの日こそ、仕事のアイデアとか、こういう感じで資料を作ったらきれいなんちゃうか、わかりやすいんちゃうかな?とかが浮かんだりするんで。あと、ぼーっと新聞読んでるときとかね。だからバランスを変につけようとしないっていうのが逆にいいかもしれませんね。

ミト:なるほどー。ありがとうございます。

由比さんが影響を受けた本

ミト では、これまでに読んで由比さんに影響を与えた本をぜひ教えてください。

由比 2冊持ってきました。ひとつは「嫌われる勇気~自己啓発の源流 アドラーの教え」ですね。読んだことありますか?

ミト アドラーはまだ読んだことがないんですよ。読んだ方が良いって、すごく言われるんですけど(笑)

由比 もともと大学では心理学専攻だった…っていうのはほとんど関係ないんですけど(笑)幸せに生きるには?とか、対人関係の在り方とか、人間社会のコミュニケーションや深層心理などはずっと興味がある分野で、この本は何回も読みました。

この中の好きな言葉に「課題の分離」っていうのがあるんですけど、例えば何かの話題で話をしている中で「それってどうなんですか?何をしてもらえるんですか?」みたいなことを聞かれた時、それをちゃんと整理して考えたら「これって自分が心を痛めてまで悩まないといけない課題なんかな…」って思うこともあると思うんです。

これを「課題の分離」っていう視点で考えると、、、「それは、そちらの課題とちゃいますか?」ってスパっと切り分けるんです。そこが大事。それによって嫌われたとしても、それはしょうがないよね、それは自分を守るため、自分を大事にするための思考なんだからっていう。それを教えてもらったときにすごく自分の中でクリアになって、強くなれました。

ミト それが「嫌われる勇気」なんですね。

由比 例えばOZCaFで仕事をする中で、何がどうゼロカーボンに繋がるかをやっぱり日々考えているんですね。だから、あらゆることがどう繋がるかマインドになるじゃないですか。

その中で、全く関係ないってことは多分恐らくもう無いんですけど、でもその中で「それはそこまでこっちの課題じゃないな…」みたいな場面もやっぱりあるんですね。そういう時にスパンっと出来ることと出来ないことを見定める。「それは確かに課題ですよね。これ一緒に解決しましょう」っていう場合と、「いや、それはそちらの課題ですね」とかをシビアに考える。心理的には同情しすぎると辛いですし、ビジネスで言ったら「そこまでこっちが浪費する必要があるか?」っていうことになる。

しっかり線引きして、シビアな考え方をちゃんとする方が、人間ってお互いに楽じゃないか? みたいなことを教えられた本で、非常にバイブルです。めっちゃ耳を折ってるんですよ(笑)

ミト めっちゃ折ってますね(笑) いやーありがとうございます。ボクもついつい線引きせずに色々と引き受けちゃったりするので。これはそろそろ読むときが来たかもしれません(笑) ありがとうございます。もうひとつの本は?

由比 これはですね、自分がトレイルランニング(舗装された道路ではなく、林道や登山道などの自然の中を走るアウトドアスポーツ)をやってるんですけど、それをどっぷり始めようっていうきっかけをくれた人の本。山本健一さんの「トレイルランナー ヤマケンは笑う ~僕が170kmの過酷な山道を“笑顔”で走る理由」です。

この人はYouTubeとかで見てもらったらわかるんですけど、めちゃくちゃかっこいいんですよ。顔もイケメンやし、走り方とか姿とか、考え方がめちゃくちゃ素敵で。

170キロぐらいのロングレースっていう山岳レースがあるんですけど、何がすごいかっていうと「いま走れている、いまここにいる自分がめちゃくちゃ幸せや」っていうマインドで走っていて、常に笑ってるんです。しんどいことをしてはるのに、常に幸せを感じながら走ってるんですよね。

そういうランナーがいてんねやって思ったときに、トレランってけっこう幸せなスポーツやなっていうのを改めて言語化してくださってる本なんで、これも僕のバイブルになってますね。

ミト トレラン向けの山とかってあったりするんですか?それとも山さえあればって感じですか?

由比 山さえあればですね。僕は交野に住んでるので、近くの交野山(こうのさん)が多いです。あれは他に比べれば全然低いので、ゆるゆる走って1時間ぐらいで帰ってこれます。トレランは心が満たされるスポーツですね。

ミト:それくらいなら良いかもですね。ちなみに今までで一番チャレンジングだったトレランって何でしたか?

由比 信州の戸隠あたりを110キロ走る大会に参加したことがあって、その日は大雨やったんですけど、大会は続行してくれて、途中、距離は短くなって100キロちょいにはなったんですけど、夜通し走りました。でもめちゃくちゃ楽しかったですね。

それも、最後あたりでゴール手前10キロぐらいが一番スピード出てきて。ランナーズハイとかっていうじゃないですか。多分あれになっていて、その時は確かに笑いながら走ってました。なんなら実はスタートした瞬間なんかは泣いてたんですよね。こんな大会出れるなんて恵まれてるなぁと思ったら幸せで泣けてきて。

ミト 聞いてるだけで、すごいポジティブな力を感じられてなんだか不思議です。

心の持ち方ひとつで、この場のボクでも幸せを感じられる。もしかしたら、この本には何かその秘密が詰まってるのかもしれませんね。

由比 この2冊を読んでからかどうかはわからないんですけど、なんか毎日幸せやなと思うようになりましたね。思いません?

ミト そう言われて最近思ったことがあるんですけど、改めて振り返ると、自分は本当は結構幸せだし、恵まれていたりもするんだけど、果たしてそれをちゃんと感じているのかって思って。やっぱりちゃんと感じられてないんですよね。幸せに感じても良いはずなのに、感じられてない。それは悲しいことだなって。

由比 僕は毎日、ひらっく来る日とかでも、幸せやなって思ってますもん。

まず転職してよかったですね。それに会社のお金でここを借りてくださって「地方拠点として枚方で頑張ってこい」って言われて、OZCaFの1人として自分がやりたかった「共創」みたいなことが地元で出来てるし、なんせ家からアクセスもいいし。皆さんも優しいから(笑) もうこれはめっちゃ幸せやなって、こみ上げてきますよね。

これからここでいろんな出会いが生まれて「なんか、ええ場所やなぁひらっく」ってい言いたいですよね。

ミト 由比さんのように幸せに感じられる場所にしていきたいですよね。ありがとうございます。

今後、達成したい目標

ミト 今後、達成したい目標などはありますでしょうか?

由比  個人としては、枚方市に恩返しをしたいと思っています。

2025年に大阪・関西万博がありますよね。約2800万人の方が国内、海外から来場されるって言われているんですけど、そこで自分に何ができるかっていうと、ゼロカーボン・脱炭素経営を取り入れた企業を枚方市で多くつくるお手伝いをさせてもらって、「枚方市にこの企業あり!」みたいな企業をPR出来れば、今日は万博、2日目は枚方市に行って「あの企業を見に行きたいね!」ってなると思うので、万博開催中は“脱炭素”を軸にして、万博会場から枚方市への人の流れを作りたいですね。枚方市を元気にしたいです!

例えば、観光でも、脱炭素、ゼロカーボンって大事になってくるんで、1日目万博、2日目は枚方宿で、枚方オリジナルのゼロカーボンツアーを体験したいよね。とか、そういう魅力を、それこそ枚方市、北大阪商工会議所さん、ひらっくの利用者さんと一緒になってアイディアを出して、来年までにひとつでも多くそういう魅力を作りたいんで、それで貢献できたらいいなって。個人的には思ってます。

それはOZCaFとしても同じ目的なので、枚方市のために、枚方市を日本一の脱炭素地域にしていくお手伝いをしたいなと思いますね。

ミト 脱酸素の取り組みとか技術で面白い話ってありますか??

由比 これは他社さんのことなんで詳しくは話せないんですけど、CO2をめちゃくちゃ吸収する技術が出来てるんですよ。

ミト へえー!

由比 で、吸収したCO2を色んなエネルギーに変える。要は太陽光とか風力とかじゃなく、CO2からエネルギーが生まれるんです。

ミト 本当ですか!? そうなったらゼロカーボンどころか!

由比 うん。だからその会社にとっては「CO2を出すな!」って世界的に言ってるけど、むしろCO2を出してくれっていう(笑) 逆転の発想の企業も出てきたりしていて。他にもいま、砂漠のところでは、凄く大きなファンを回して二酸化炭素を吸ってるんですよ。だけどそれを動かすのに電気を使ってるっていう矛盾が発生したりとか、吸ったやつどうすんねんっていう問題もあって。

ミト まだ発展途上ではあるけれども、二酸化炭素をエネルギーに変えようとしている技術は出来つつあるんですね。

由比 スポーツの世界でも、サポーターが常に出しているCO2から芝生を育てることに使えないかとか。詳しくは話せないんですけど、これめちゃくちゃいいストーリーなんですよ。

ミト それはおもしろいですねー。

由比 ファン獲得にもなるし、選手も頑張るし、脱炭素にも繋がるし、新項目のビジネスにも繋がるっていうので、本当にまるっとWin-Winっていう、これを脱炭素の文脈で作りましょうっていう話なんです。これがOZCaFの目指す「みんなの幸せを作る」っていうことの一端ですね。

ミト なるほどーー、ちょっと見えてきました。

由比 他にも個別個別にめちゃくちゃあるんで、それを総じてゼロカーボンとスマートシティで社会を良くしようとしてる団体っていうのがOZCaFなんです(笑)

ミト そのためには繋がることなんですね。

由比 官民の繋がりもそうですし、個人で出来る努力もあるけど、繋がることで面白いことができる。そのキーワードが「ゼロカーボン」。

そして「スマートシティ」があって、手法が「共創」なんですよね。

ミト なるほど。だいぶ明確になりました。

由比 楽しそうでしょ。

ミト 確かに楽しそうですね!ワクワクします。

世界の課題ですし、それがワクワク出来るんだから確かにやりがいを感じるなって思いました。

由比 だからもういろんな人に話しかけてもらいたいです。なんかそういう機会とか、場はこちらも作っていかないとなんですけど、もっと盛り上げたいですよね。

ミト そうですよね。頑張ります(笑)

これからコワーキングスペースを新しく使い始める人へのアドバイス

ではこれからコワーキングスペースを新しく使い始める人へアドバイスを。

由比 来るまでは不便もあるけど、来てみたらめちゃくちゃ使いやすいし、特に景色が良いので、1回来てもらいたいですよね。1回かじってみたら、良いやんってなるんじゃないですかね(笑)

ミト 1回かじってみたら。いいワードいただきました。ありがとうございます(笑)

由比 見晴らしが凄くて、全方位、枚方を見渡すことが出来るからね。

ミト この景色を見るだけでも使用料300円、500円の価値はあると思います。すぐ隣には車塚公園もあってずっと眺めていられますもん(笑)

由比 そうそうそう。土曜とかに仕事してても雰囲気いいですもん。遊んでる子供たち見ながらね。

ミト そうですね。

由比 最後にお伝えしておきたいことがあって、これは特に日本のすべての皆さん向けに、今我々が提唱しているんですけど、大阪・関西万博が始まったら、来場者の方々が会場までに使用される最後の交通手段をラストワンマイルと定義して、ラストワンマイルで排出される温室効果ガスが約5万7000トンと推計されているんです。これは相当な量です。

そこでさっきのカーボンニュートラル、カーボンオフセットの話なんですけど、この5万7000tをみんなの行動で減らしていきたいよねっていう試みがあって、それが「EXPOグリーンチャレンジアプリ」なんです。簡単に言うと、ペットボトルを買わずにマイボトルを持ってくると、ペットボトルを1つ買ってないから1日で0.081kg減らしてる計算になるんですね。

他にも今日の朝昼晩のご飯、食べ残しゼロにしましたよ。これは無駄なゴミを発生させてないんで、それだけでも0.063kg減らしてる計算。宿泊先でアメニティ、歯ブラシとか使っちゃうじゃないですか。だけどそれを使わずに、自分のマイ歯ブラシを持っていったら、これも減る。企業規模じゃなくても、皆さんでできる取り組みを、ポチって押すだけでポイントがもらえて、そのもらったポイントから抽選で景品が当たるっていう取り組みなんです。

この景品に関しても、いろんな企業さんに協賛してもらってて、脱炭素とか、アップサイクルとかって言葉聞いたことあると思うんですけど、そういう文脈の商品が当たってもらえるんです。というアプリなんで、これを皆さんに使ってもらいたいと思っています。

僕らは大阪関西万博にこれを協賛している団体でもあるんで。もう民間企業、住民さん巻き込みで、脱炭素社会を作っていきたいなと思います。

ミト 早速入れます!

由比 枚方市内なら「くらわんかファブリック」さんとかがあるんですけど、それが「ここの商品、ラインナップになりました」「万博に協力してます」っていうだけでも、ブランディングになると思うんですよね。そういうことをどんどんコーディネートしていきたいなと思ってますね。

ミト いやー、これで由比さんのされていることがよくわかりました(笑)

今日はどうもありがとうございました。

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